基礎知識 (法人税No.18) 

法定福利費の処理について
法人は、原則として従業員のために社会保険及び労働保険に加入する義務がありますが、ここでは社会保険及び労働保険の加入に伴い発生する社会保険料や労働保険料の処理方法について説明したいと思います。

(1)社会保険料の処理方法について

法人が社会保険に加入した場合、納付する健康保険料及び厚生年金保険料のうち従業員負担部分については、徴収時に預り金等の科目で処理し、納付時には計上した預り金等を取り崩す処理を行います。また、法人負担部分については、保険料の計算の対象となった月の末日に損金算入されることとなります。

ここで、健康保険料や厚生年金保険料は、原則として翌月末日までに納付することとされており、期末決算時においては、法人負担部分について1か月分の未払社会保険料を未払計上することができます。

(2)労働保険料の処理方法について

労働保険料は保険年度の賃金総額の見込み額等に基づいて算出した概算保険料を納付し、保険年度経過後に、その機関の実際の賃金総額に基づく確定保険料を算定し、概算保険料と確定保険料との差額を精算するという仕組みになっています。
ここで、法人が納付する労働保険料のうち、従業員等が負担する金額は立替金などの科目で処理しますが、法人が負担する部分は以下のように処理することとなります。

  1. 概算保険料は、概算納付の申告書を提出した日又は納付した日に損金算入されます。
  2. 確定保険料と概算保険料との差額部分については、確定保険料に関する労働保険料申告書を提出した日又は納付した日に損金又は益金算入されます。

ここで、その事業年度の決算日以前に終了する保険年度分の確定保険料の不足分がある場合には、労働保険料申告書の提出前であっても、不足額を未払計上して損金に算入することが可能です。

2013年8月17日
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