基礎知識 (法人税No.50)

特別償却の概要について

特別償却とは、取得価額に一定割合を乗じた金額が一時に損金算入される制度のことをいいます。ここで、定額法や定率法で計算する通常の減価償却のことを普通償却といいますが、法人税法で定める普通償却とは別に、租税特別措置法にて産業政策の一環で税の恩典としての特別償却制度が設けられています。

特別償却には各種のものがありますが、いずれも一定の減価償却資産について早期の償却を認め、損金算入時期を繰り上げることで課税の繰延べを図る制度です。

ここで、特別償却の経理処理方法について説明したいと思います。特別償却の経理処理方法には次の2通りがあります。

  1. 通常方式・・・通常の減価償却と同じように処理する方法
    (借)減価償却費 ×× (貸)固定資産 ××
  2. 剰余金処分方式・・・償却費を損益計算書上の費用に計上しない方法
    (借)繰越利益剰余金 ×× (貸)特別償却準備金 ××

剰余金処分方式で経理する場合には、特別償却の金額が損金経理されませんので、申告書の別表4にて減算処理することになります。また、初年度に損金算入された特別償却費の金額は、翌期から7年間(耐用年数が10年未満のものは、5年又はその耐用年数のいずれか短い年数)で均等額ずつ益金に算入されることになります。この特別償却準備金の取り崩し計算は、設定した事業年度別及び対象資産別に区分して行うことになります。

次回は、特別償却の具体的な各制度の内容について説明したいと思います。

2013年9月9日

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